北前船とは、江戸時代中期(18世紀中ごろ)から明治30年代に、大阪と北海道を日本海回りで結んでいた商船を総称する呼び名です。ただ単に荷物の運搬をしていたわけでなく、船主自身が寄港地で仕入れた商品を、別の寄港地で販売するという「商売」をしながら大阪と北海道の間を航海していました。
北前船は驚くほど多種多様な商品を扱っていました。調味料、食材、生活用品、おもちゃ、石…中には「古家一軒分」という記録まであります。北前船が「動く総合商社」と呼ばれる所以です。北前船は様々な文化も運びました。食文化においても、様々な地域の特産品や調味料、伝統料理などが他地域に広がり、日本各地の食文化に大きな影響を与えました。例えば、北海道の昆布は、北前船によって日本各地に広がり「昆布だし」が庶民の味となりました。今では「ウマミテイスト」として海外からも注目を集めています。
「北前船こだわり市場」は現代版北前船として、北前船の寄港地や船主集落だったまちから選りすぐりの品を集めています。北前船の歴史と食文化のつながりを感じながら、お買い物をお楽しみください。